「マッチングアプリで出会った人が、実は全然違う人だった」「彼の行動の意味を深読みしすぎて、勝手に傷ついてしまう」そんなご相談を、本当によくいただくんです。
実は私自身、過去に恋愛の「フェイクニュース」に振り回されていた経験があります。相手のプロフィールを信じ込んで期待していたのに実際は全く違っていたり、自分の思い込みで「きっと嫌われてる」と決めつけて関係を壊してしまったり…。
その時に気づいたのは、恋愛におけるフェイクニュースには、外からくる嘘と、自分の心が作り出す嘘の2種類があるということでした。この記事では、デジタル時代の恋愛で私たちを惑わす様々な「偽情報」を見抜き、本当の愛を見つける方法を、私の体験談と共にお伝えしますね。
外部から来るフェイクニュース〜マッチングアプリの落とし穴
プロフィール詐称と業者の巧妙な手口
現代の恋愛は、リアルな交流だけでなく、マッチングアプリやSNSなどのオンラインプラットフォームを通じて無数の情報が飛び交う環境にあります 。この「情報化社会」において、私たちは常に真実ではない情報や、相手の意図的な欺瞞に晒されています。
マッチングアプリを利用する際、ユーザーはプロフィール写真や自己紹介文を通じて相手の情報を得ますが、ここに虚偽や詐称が潜んでいる可能性があります 。アプリのプロフィール写真が、実際会ったときのギャップを防ぐためにも、過度な加工アプリの使用を避けるべきだとされています。裏を返せば、加工アプリなどで過度に修正された写真は、その人物の真実の姿を隠蔽している「フェイク」情報であると言えます 。
見抜くポイント:
- 写真がすべて同じ角度・同じ表情で不自然ではないか
- プロフィール文が他のアプリとコピペで同じになっていないか
- すぐに連絡先を聞いてきたり、会う場所を限定してこないか
金銭トラブルと個人情報悪用のリスク
既婚者向けアプリに限らず、マッチングアプリには詐欺業者など怪しい会員が潜んでいる確率がゼロではありません 。経済的に余裕がある相手に金銭目的で近づくトラブルや、個人情報を悪用して脅迫してくるケース、さらには闇業者へ個人情報を売りつけたり、犯罪に加担させられたりするリスクも想定されます。
私の相談者さんの中にも、「投資の話を持ちかけられて、最初は少額だったから信じてしまった」という方がいらっしゃいました。金銭的な援助や投資の話には絶対に応じないなど、自己防衛の意識を持つことが不可欠です 。
「メンヘラ」という言葉に隠された責任転嫁
恋愛におけるコミュニケーションの中で、特定の言葉が情報操作のツールとして使われることもあります 。特に「メンヘラ」という言葉の使われ方には注意が必要です。
男子学生の中には、彼女が不安のあまり「泣かれたり、病まれたり、鬼電かかってきたり」という行動を取ることを「メンヘラ」の一言で説明し、別れられない理由として語るケースが見られます 。しかし、これは自分の落ち度や加害者性を巧妙に棚上げし、相手に責任を押し付けようとする意図を含んでいる可能性があります。
本来、彼女の不安定な行動の裏には、彼氏から愛されている実感が得られない、気持ちをぶつけようとするとかわされる、といった混乱やむなしさの状況があるのです 。
心が作り出すフェイクニュース〜認知の歪みという罠
自己否定と「内的帰属」の危険性
外部からの欺瞞以上に、私たちを苦しめるのは、自分自身の内面で生成される誤った思考や「認知の歪み」です 。これこそが、恋愛をダメにする最も強力な「フェイクニュース」です。
失恋した時などに「お別れしたのは自分のせいだ」と自己批判をしてしまう傾向は、心理学的に「内的帰属」と呼ばれます 。これは、様々な状況が複雑に絡み合って起こった出来事を、まとめて「自分のせい」だと考えてしまうことです。
この思考の裏には、「自分の行動で相手やこれから起こることを変えられる=コントロールできる」という思考が働いています 。しかし、あなたは彼の行動や発言を直接的にはコントロールできません。コントロールできないものに振り回されることが、苦しみの原因となります。
私も以前は、何か問題が起きると「私がもっと気を遣っていれば」「私がもっと魅力的だったら」と、すべてを自分のせいにしてしまっていました。でも今思うのは、恋愛は相手がいて成り立つものなので、一人だけの責任ではないということなんです。
極端な思考パターンの罠
恋愛における思考の罠、すなわち「認知の歪み」には、関係性を悪化させる極端なパターンがあります 。
全か無か思考:「完璧な関係でなければ意味がない」「少しでも喧嘩をしたら、この関係はダメだ」というように、物事を白黒はっきりさせようとする極端な考え方です 。現実の恋愛には紆余曲折があるものですが、この思考にとらわれると、関係性の小さな問題で絶望してしまいます。
心の読み過ぎ:相手の態度を「勝手に読んでしまう」のも危険なフェイクニュースです 。「彼(彼女)がそっけないのは、私に飽きたからだ」と確認せずに決めつけると、誤解から関係が悪化することもあります。この解釈は事実ではなく、あくまであなたの推測にすぎません。
ネガティブな未来予測という思い込み
メンタルブロックがある状態では、素敵な写真を見たときに「どうせ、こんなことしてたって別れるんでしょ?」「羨ましい(けれど私には絶対に起きない)」など、冷めた視線や諦め、邪推、否定といったネガティブな思考を必要以上にしてしまいます 。これは、無意識のレベルで思考がコントロールされている状態です。
相談者さんからよく聞くのは「幸せになりたいのに、なぜか悪い方向に考えてしまう」という声です。これも心が作り出すフェイクニュースの一つなんですね。
今すぐできるフェイクニュース対策5ステップ
ステップ1:事実と感情・解釈を明確に区別する
恋愛で問題が起きた時、事実と自分の解釈や感情は別物であることを認識し、冷静に受け止める必要があります 。
浮気など深刻な問題が起きた際も、感情だけで判断せず、何が本当に起こったのかを冷静かつ客観的に見極める姿勢が大切です 。過去の出来事や後悔していることを「点」として振り返りがちですが、全ては相手との関わりの中で起こる「線」であり、自分ひとりだけの問題ではありません。
実践法:
- 起こった事実を箇条書きで書き出す
- 自分の感情的な解釈と分けて考える
- 「〜かもしれない」という推測と事実を区別する
ステップ2:恋愛以外の成功体験で自己肯定感を育む
内面のネガティブなフェイクニュース(「自分はダメだ」という思い込み)を打ち消すには、自己肯定感を高めることが不可欠です 。
人を頼らず自分で目標を立てて立ち向かい、成功すると自信がつきます 。これは、「目標をクリアできたという成功体験」によって、一人でも大丈夫という気持ちになり、自立へと向かう画期的な方法です。
本当に些細なことでも、コーヒーを淹れる、アイスを買いに行くなど、自分の願望を叶えていくことで「自分の未来を自分で作れる」という確信が生まれ、自己信頼が執着を手放す力になります 。
ステップ3:ポジティブな言葉遣いに変える
「でも」「だって」「どうせ」といったネガティブな言葉を避けるか、あるいは「でも、なんとかなる」「どうせ、自分は成功する」とポジティブな言葉をプラスする「ポジティブな口癖」を意識することで、前向きなマインドをキープできます 。
セルフチェック項目:
- 今日一日でネガティブな口癖を使った回数は?
- ポジティブな言い換えができているか?
- 未来に対して希望的な表現を使えているか?
ステップ4:素の自分を見せる勇気を持つ
健全な関係を築くためには、お互いに偽りなく情報を共有し、尊重し合える姿勢が必要です 。
自分の本性を知って嫌われたらどうしようと不安になるかもしれませんが、自分の「素」を出せないままでは、よそよそしい関係のままで恋愛関係に進めません 。ありのままの自分を受け入れてくれる相手を見つけることが大切です。
自分の意見や感情をしっかりと持ち、それをはっきりと伝えることは、健全な恋愛関係を築くための基盤となります 。自分の気持ちを率直に伝えないと関係性は良くなりませんし、イエスやノーをはっきりと伝えていいのです。
ステップ5:相手の価値観を深掘りして確認する
相手が求める「優しい人」像を漠然と捉えるのではなく、「具体的にどういう人か」「どういうことをしてくれる男性に一番優しさを感じるのか」を深掘りして聞くことが重要です 。これにより、お互いの価値観の「フェイク」ではない、真実の定義を共有できます。
恋愛のフェイクニュースで絶対に避けるべき3つのNG行動
NG行動1:金銭的な要求に応じる
どんなに相手を信頼していても、金銭的な援助や投資話には絶対に応じないことが大切です。本当に困っている人なら、他にも相談できる人がいるはずです。
NG行動2:自分の推測を事実として決めつける
「きっと〜に違いない」という思い込みで行動するのは危険です。確認せずに決めつけると、誤解から関係が悪化することもあります。
NG行動3:完璧を求めすぎる
全か無か思考で関係性を判断すると、小さな問題で絶望してしまいます。現実の恋愛には紆余曲折があることを受け入れましょう。
まとめ:真実の愛は心の自立から始まる
恋愛における「フェイクニュース」は、デジタル空間に潜む詐欺や虚偽だけでなく、私たち自身の心の中で作り出される自己否定的な思考パターンにこそ、その本質が潜んでいます 。
外部の欺瞞を見抜くためには、個人情報の扱いに慎重になり、金銭や個人的な要求には毅然と対応するといった現実的な対策が求められます 。そして、内面のネガティブなフェイクニュースを克服するためには、自己肯定感を高め、自分の感情や価値観を尊重し、事実を冷静に受け止める心の自立が必要です。
自分自身の心の声に耳を傾け、「自分は幸せな愛を受ける価値がある」という真実の信念を潜在意識に書き込むことが、恋愛という人生の旅路において、すべてのフェイクニュースに打ち勝ち、最高のパートナーシップを築くための揺るぎない土台となるでしょう 。
私の「心・魂・体からの恋愛ウェルネス」という考え方でも、外側の情報に惑わされず、自分の内側の声を信頼することを大切にしています。偽りの情報に振り回されることなく、あなたらしい真実の愛を、一緒に見つけていきませんか?
明日からまず、事実と感情を分けて考える練習から始めてみてくださいね。
